北国の感想の端っこ おもに進撃の巨人とか

主に進撃の巨人のなんかつぶやいてます その他のドラマや映画、小説の感想もちらほら 小ネタ置き場と備忘録兼ねてます 

ゴジラ観てきました ゴジラに踏みつぶされて死ぬならそれでいい、そんなゴジラ愛のおっさん発見?

ゴジラ極端な結論

「芹沢猪四郎博士はゴジラに踏みつぶされて死ねたら本望なマッド」

ゴジラ2014観てきました 1回目観て雑感です

そもそもゴジラどころか怪獣映画が初めてなので作法も鑑賞法も分からず飛び込んだのですが、ゴジラ出現の瞬間には「うおおおおゴジラゴジラきたーーーー!」と鳥肌立ったので、往年のゴジラファンの人もきっと……どうなのでしょうか?

この映画、多分日本ではかなり「つっこみ激しい」と思われます。

・襲われる原発の名前が日本の原発なのに「ジャンジラ原発」。雀路羅(じゃんじら)市という架空の市にある原発だからだそうですが。・・・・・語尾に「ジラ」と付けたかっただけかもしれない。

ビキニ環礁の米ソ水爆実験競争が「海中で発見された巨大生物をやっつけるため」という設定になってました。パンフを読んだら「ゴジラたち先史の巨大怪獣は、人類発祥以前の、今よりもずっと放射能度の高い世界で、その放射能を糧にしていた生き物だった。地表の放射能度が低くなるにつれ、地下深く潜って地殻の放射能に頼らなくてはいけなくなったが、生存に足りる量は得られず、殆どが淘汰されてしまった。ところが20世紀に入り核が開発され、第二次世界大戦に使われ、その後も続いたたびたびの核実験で、地上の放射能度が上がった。生き残ったゴジラ(の一族?)が放射能をもとめて地表に」

つまり。ゴジラが必死で放射能求めて放射能度高いところに這い上がってきたら、お偉い方に見つかって、大国は、大義名分をえたとばかりにビキニ環礁に水爆落としまくった、というところらしいです。違うかな。

ところで大国核総攻撃の結果ですが、放射能食べて生きてるゴジラたちです。攻撃という燃料投下で「エネルギー満タン」状態になりました。他の怪獣もゴジラの1匹に寄生してエネルギーを得たりして、つまり2014年になり、人類最悪の状況。

 

・さて、個人的に一番引っかかったこと。芹沢博士の父は広島の原爆投下で被爆死ということなのですが、芹沢博士演じる渡辺謙さんは50代。お父さんが広島で即死していたら、年齢が合わない。合わせてない。

ここで想像してみました→

・被ばくした父の形見は「8時15分」で止まっている懐中時計。

これは監督が平和祈念館で見た「その時間で止まっている時計」にショックを受け「とにかく映画にねじこみたかった。『とにかく』」→

つまり。芹沢博士のお父さんは、広島で被爆したが、即死したのではない。一命は取り留めた。その惨劇を忘れないためにでしょう。お父さんはその時間で止まった時計を大事に持っていた。で、憶測ですが被爆者差別や原爆症で苦しみぬいて死んだ。芹沢少年はその父の姿を見て、核と生命に執着するようになった。懐中時計を懐に秘め。

 ところでこの映画、SFであるがゆえに専門用語とか説明とか、架空設定の更なる説明とかガンガン入るんだろうなあと思ったら、その辺りすごい勢いですっ飛ばします。監督さんが「出来たらセリフないモンスター映画作りたい」という方だからそうです。そのかわり俳優の表情で、心情を読み取らなければならない、あるいは読み取る楽しみの余地を残してある映画になってます。

で、この勝手な想像と映画の芹沢博士の言動を合わせて、思い浮かべた芹沢像なんですが。

 2014ゴジラを観て勝手に一番面白いなーと思ったのは「博士が役立たず」ということでした。特撮映画って大体何とか博士とかなんとか研究所の精鋭たちが、知能を駆使して、悪戦苦闘の後巨大な敵を殲滅、というのが王道覇道と思っていたんです。芹沢博士は「組織1の科学者」で、人類の危機に血の汗ながしながら知恵を絞ると思っていたのですが「私としては。ゴジラに任せるしかないと思うの」という丸投げ態度に最大の「?」マークでした。

そこで。芹沢博士の表情です。いつも、いえ始終ネガティブな表情が多いのですが、気になったのが、日本の原発跡で、「15年経過観察していたムートー(敵怪獣をこう呼びます)」を殺さねばならない状況になった時、ほんとに辛そうな表情をして、怪獣の繭から目をそらすのです。この時、「この人、怪獣に情がうつっちゃったのかな。設備が崩れて死人けが人出て大変なのに。これだから博士は・・・・・」

その時ふと思い当りました。あ・・・・・。そうか。博士と言えばもう一つの王道。

マッド。この人絶対マッドサイエンティストだ!怪獣>>>>>人類だ!

え、これがマッドだっけ。まあいいです。とにかく、本当は怪獣大好きなんだ。

この博士。

 だって怪獣は放射能を糧に出来る=放射能に殺されることはない。

ゴジラに至っては、水爆をいくら喰らってもびくともしない、最強生命体。

 おのれの父親を蹂躙した核の力を、ものともしない怪獣たちこそ、芹沢博士にとってのヒーローではないのでしょうか。少なくとも「ビキニの時は爆弾の威力が弱かったから。今度のは強いから、怪獣全部ぶっ飛ばせるぜ」という軍人さんたちに比べりゃずっとましな存在。「核で怪獣吹っ飛ばす作戦」指揮取る海軍提督に形見の時計をつきつけ、その時刻彼の父の身に起こった事実を短いせりふで伝えながら、「あんたらが核でなにやらかしたか覚えてないのかよ」と言外に言い放った博士は、核への怨念を生命体研究に昇華させた故に、その核を超克する存在である怪獣たちに誰よりもシンパシーを感じている、もう一匹の「怪獣」なのかもしれません。あるいはできたら怪獣になりたい人間。とにかく、この博士人間サイドに傾く要素が、見つからないんです。むしろ人間に絶望しまくってるとしか思えません。

言うことと言ったら、「怪獣にはかなわない。私たちを超越してるから。ゴジラ様はその怪獣をも超えた生態系の頂点だから、ゴジラ様の裁定に任せましょう。ゴジラ様がダメだったら? しらね」やる気ゼロです。

で、結局ほんとにゴジラ様がなんとかしてくれるんですが(ちなみに敵のムートーは2匹いてつがいです。お互い電波でラブコール飛ばして会おうとしているのです。その電波ゴジラ様も受け取って「うぜーよバカップル」と追っ掛けて来たという)一仕事終わって自宅(海)に帰って行くゴジラ様を見る芹沢博士の目はうっるうる。信奉崇拝法悦。そんな表情。あと追いかけて海にざぶざぶ入って行っても

おかしくないような。

もちろん「なんとかしなければ」という職業意識もあったのでしょうが、その理性と、2次元妄想で組み立てた、やっつけなきゃいけないゴジラフィギュアは、3次元破壊神ゴジラ様にあっという間に粉砕されてしまったように見えて仕方ありませんでした。あとはゴジラ教まっしぐらの博士・・・・・・。

十人十色の楽しみ方があるでしょうが、私は2014ゴジラに「怨念つらぬいてたら怪獣やっつける職業になっちゃったけど、怪獣のほうが正しいと思えて仕方ないからやる気わかない。人類がそれで滅びるなら、それでいいような気がする」という、「静か秘か悟られぬようにマッド」という新しいタイプの「はかせ」を発見して、面白がってます。それでいいかどうかは全く分かりません。